鉄は、100℃上がると、1m当たりざっくり1mm伸びます。
熱板が、均等にまんべんなく100℃上がれば、全体的に膨張するのであまり問題ないように思いますが・・・
実は、これが結構厄介なのです。
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熱ひずみの影響でフレームがたわむ
例えば、熱板の下のフレームを思い浮かべてください。
高さ500mmのフレームの熱板側の鉄板は120℃まで上がる一方、下側の鉄板は20℃のまま。
仮に5mのフレームだとフランジ(上下の鉄板)の長さが5mmも差が生じてしまいます。
結果、フレームはかまぼこ型に反り返り、両端で数ミリの隙間ができてしまうなんてことになってしまいます。
すると、加圧しても中央ばかりがプレスされ、ワークの厚み精度が悪くなったり、端のほうに接着不良が出たりします。
熱板の剛結合はキケン
熱板の放熱を防ぐため、熱板とフレームの間に断熱材を挟みます。
ただ、この対策により熱板とフレームに温度差が出て、鉄の伸び量にも差が生じます。
もし、熱板とフレームをボルトで剛結すると、せん断破断による熱板の落下をまねきかねません。
熱ひずみの対策
フレームの熱ひずみ対策
通常2m以上のフレームは熱ひずみ対策が必要となります。
低温の場合は、シムで加圧不良を抑えます。
高温の場合は、まずフレームに熱を伝えないために、断熱材を使用します。
しかし、それでもフレームへの熱伝導は防ぎきれないので、フレーム自体の温調を考えます。
方法としては、フレームの強制冷却とフレーム全体の均温があります。
フレームの固定方法
熱板をフレームに固定するには、ボルトを使うか、固定治具を考えることになります。
いずれにしろ、熱ひずみの差をうまく逃がしてやる仕組みが必要です。