熱媒体油循環方式とは?ホットプレス機での加熱方法とメリット・デメリットを徹底解説

ホットプレス機の熱板を加熱する方法には、ヒーター加熱蒸気加熱、そして熱媒体油循環方式があります。
ヒーターや蒸気加熱は比較的イメージしやすい一方で、熱媒体油循環方式については「聞いたことがある」程度で、詳しく理解していない方も少なくありません。
しかし、ホットプレス機における熱板の加熱方法は、製品の品質に大きく影響する重要なポイントです。

本記事では、熱媒体油循環方式の基本原理をはじめ、そのメリットやデメリットをわかりやすく解説し、正しい理解をサポートします。


目次

熱媒体油循環方式とは?

熱媒体油循環方式は、熱媒体油を循環させることで熱を伝える加熱方法です。
このシステムは、油を加熱装置で加熱し、ポンプで循環させながら熱板内部の流路を通じて熱を伝える仕組みです。
加熱だけでなく、熱交換器を併用することで冷却も可能であり、多用途に対応できる点が特徴です。

熱媒体油循環方式の原理

熱媒体油循環方式では、専用の熱媒体油を設定温度まで加熱し、その熱を循環させて熱板全体を均一な温度に保ちます。

ヒーター加熱方式では、ヒーターが直接熱板を加熱するため、局部的に600℃に達することがあり、熱板全体の温度を均一に保つのが困難です。
一方、熱媒体油循環方式は、熱板内部の流路を油が流れることで均一な熱伝達を実現し、温度のムラが発生しにくいという大きな利点があります。
この均温性の高さが、成形や接着工程での高品質な仕上がりを可能にします。

熱媒体油循環ポンプ

熱媒体油を循環させるために使用されるポンプは、適切な冷却機能を持った専用ポンプを使用します。

特徴的なポンプの一つに、キャンドモータポンプがあります。

キャンドモータポンプは、その名が英語の”CAN”(缶詰め)に由来しており、ポンプとモータを一体化し、液体が完全に密閉された構造を持っています。このため、液漏れがなく、爆発性・引火性・毒性のある液体や強酸・強アルカリの化学薬品の取り扱いに適しており、高温・高圧に対する耐久性にも優れています。(帝国電機製作所HPより)

キャンドモータポンプは、油漏れを嫌うクリーンルームなどで使用されます。

フランジヒーターとシーズヒーター

熱媒体油を加熱するためには、シーズヒーターやフランジヒーターが使用されます。

  • フランジヒーター: 熱板の外部で熱媒体油を加熱するシンプルな構造で、メンテナンス性にも優れています。
  • シーズヒーター: 熱板内に設置され、ヒーターと熱板の間に熱媒体油を流す方式です。この方法は、均一な加熱を実現しやすい私たちの得意分野です。

サームオイル(熱媒体油)

熱媒体油も、高温でも劣化しにくい専用の油が使用されます。
使用温度は200℃前後が一般的で、最高340℃まで対応可能です。

熱交換器

熱交換器を使用することで、加熱だけでなく冷却も行えるのが熱媒体油循環方式の大きな特徴です。
加熱ルートからバルブで流路を切り替え、熱交換器を通じて熱媒体油を冷却します。

水を直接熱板に入れると、瞬時に気化して器具が劣化しやすく、配管内で破裂音が発生することがあります。
一方、熱媒体油を冷却する方法ではこれらの問題が発生しません。

また、加圧しながらの加熱・冷却制御が可能なため、より精密な温度管理が求められるプロセスに対応できます。

熱媒体油循環方式のメリット

  1. 温度精度が高い ヒーター加熱では、熱板の表面温度にムラが生じやすいのに対し、熱媒体油循環方式は流動する油によって熱が均一に伝わるため、温度精度が向上します。これにより、高品質な成形や接着が可能になります。
  2. イニシャルコストを抑えられる 蒸気加熱と比較すると、ボイラー設備が不要なため、初期投資が低く抑えられます。特にボイラーは、プレス機本体よりも高価になる場合があるため、コストパフォーマンスの良い選択肢です。
  3. 冷却機能を併用可能 熱交換器を設置することで、加熱だけでなく冷却も行えます。一台で多機能を実現できる点は、柔軟な運用が求められる現場で非常に有用です。

熱媒体油循環方式のデメリット

  1. オイル漏れのリスク システム内で使用される熱媒体油が漏れるリスクがあります。適切な設計と定期的なメンテナンスが重要です。
  2. 消耗部品の交換が必要 熱媒体油やフレキシブルチューブは、使用とともに劣化します。これにより、一定期間ごとに交換が必要となり、ランニングコストに影響を与えます。
  3. サイズアップと価格増加 ヒーター加熱方式と比較すると、システム全体のサイズが大きくなり、価格も高くなります。設置スペースや予算とのバランスを考慮する必要があります。

熱媒体油循環方式の魅力

熱媒体油循環方式は、温度精度が求められる成形や接着工程において優れたパフォーマンスを発揮します。
また、イニシャルコストを抑えつつ多機能な運用が可能な点も大きな魅力です。
デメリットについては、適切な設計やメンテナンスを行うことでリスクを最小限に抑えることが可能です。

ホットプレス機の導入を検討する際には、用途や要求される性能をしっかりと整理した上で、熱媒体油循環方式が最適かどうかを判断してください。

私たちJ-Press Neoでは、具体的な要件に応じた提案を行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ご質問・お問い合わせは、こちらからどうぞ。

  1. 1
    入力
  2. 2
    確認
  3. 3
    完了
お名前
必須
メールアドレス
必須
お問い合わせ内容
必須
予期しない問題が発生しました。 後でもう一度やり直すか、他の方法で管理者に連絡してください。
目次